フロントブレーキローター大径化

インチアップしたホイールの中を埋め尽くすように広がる、大きなディスクローター。
それは高性能車の象徴であり、まさに男の夢であります。
どんな大きなホイールだって、その中に収めるブレーキが小さいままでは何の意味も持ちません。言い換えるなら、ローターを大径化する為の手段こそがホイールのインチアップなのです。


ところでZ32のブレーキシステムは、1989年のデビュー当時の基準において最先端のものであったそうです。フロント4ポッド、リア2ポッドの対向キャリパーは贅沢にもアルミ製、ローターはもちろんベンチレーテッドで径は280mm。

280mm。

え?

ちっちゃ!



純正アルミホイールが16インチなので仕方ないのですが、車重1.5tのZ32を制動するにはいささか頼りないそのブレーキにヒヤッとした経験をお持ちのオーナーも多いことと思います。そんなわけで以前からなんとかしようと思っていましたが、せっかく17インチや18インチのホイールを持っているのだから、
ディスクローターをより大径のものに換えよう!というのが今回の作業です。

では、モノを集めましょう。
理想を言うなら、それこそAPレーシングのキット一式くらい付けてやりたいのですが、手が出る金額ではありませんしサーキットユースでもないので、お手軽なものを選びます。というわけで用意したのは、グローバルのビッグローターkit。ローター径は実に334Φです。組み合わせるキャリパーは、中古品のBNR32純正をオーバーホールして使用します。


モノが揃ったら作業開始。まずは純正のブレーキをキャリパー、ローターの順に外します。
ブレーキラインはフレアナットレンチを使って外し、適当な栓やフタをしておきましょう。でないと、ブレーキフルードがポタポタと滴り続けます。ローターはボルト等で留まっているわけではないので、そのまま、あるいはハンマーで叩けば外せます。


ちなみに僕のZはローターの摩耗の具合が悪く、波を打つように擦り減ってパッドと噛み合ったような状態だったため、すんなりとパッドが抜けませんでした。どうせ捨てる部分なので、パッドとローターの間を強引にこじりピストンを戻してから取り外しました。


外すものを外したら、付けるものを付けます。
ローター径が大きくなる分キャリパーの取り付け位置も変わりますので、キット付属のマウントブラケットを装着します。次にメインディッシュのビッグローターをON。そのままではガタついて色々と都合が悪いので、ホイールナットを2個かけてローターを仮止めします。すると、ローターの裏にあるバックプレートが干渉しますので、曲げるなり切るなりして対応。ブレーキラインもキット付属のものを使用し、キャリパーをちゃちゃっと装着です。


するとこんな感じ。パッドはBNR32純正を一部研削して使用。
四半世紀も働いてくたびれたブレーキシステムが、これで一気にキレイになりました。しまいにフルードのエア抜き。ワンウェイバルブなどを使えばひとりでも出来ないことはないのですが、できれば2名でおこない、エアが出てこないことを目視でしっかり確認しましょう。

完成したら、効果のほどを試乗して確認だ!!



こ、これは・・・

効く!すんげー止まる!BMWより止まるようになっちゃった!
もうタイヤが追いついてないもの。
まさか、こんなにも変わるとは思っていませんでした。
コスパ高し。おススメであります。



ホイールを18インチにしても全然負けてない!
やっぱスポーツカーはこのくらいじゃなきゃね〜。