トノサマバッタ

学名:Locusta migratoria

犬とさんぽをしていたら、仮面ライダーがはっぱの上から僕を見つめていました。
もう胸キュンで家に連れて帰りました。

この個体は3齢くらいでしょうか。
バッタは6齢くらいまであるのでよくわかんないです。


トノサマバッタの体色は、生息環境の個体数の密度が低ければ緑か茶色(孤独相)、高ければ黒とオレンジ(群生相)になります。さらに、この間に黒っぽい転移相というのもあります。群生相は飼育下ではあまり出現せず、高密度で累代を重ねても転移相止まり・・・だったかな?たぶん。
これらの「相」の変異はなかなか複雑なため、ここの文章は参考程度にしといて下さい。



breeding

2009年8月

バッタはイネ科のはっぱをモグモグして大きくなるのですが、はっぱをケース内にバサッと入れてもすぐにダメになってしまい、食べてくれません。そこで、バッタ飼育ではビンに水を入れてイネ科植物を挿しておくのが一般的です。しかし、それだとちょっと味気ないというかつまんないので、根っこごと抜いて土に直接植えてみます。

めんど・・・いやいや、がんばらな。でも、定期的に植え替えなきゃいけない・・・
やっぱめんどくせーよ。おぉ。成長したらビンにしよっと。
ちなみに土は、物置の中にあった園芸用のを使いました。
草は庭に生えてたヤツ。名前はわかりません。役に立たないね。



・追記
餌の直植え、早くも断念です。とても間に合うものではありません。こいつの破壊的な食欲は、脱皮をしたことでさらなるステージへと昇華。もう追いつきません。

庭の草もなくなったので、犬とさんぽに行くついでにエノコロ草を数本引っこ抜いて持ち帰ります。これを水をいれたビンに挿し、3日で交換。
このパターンでいきます。



2009年9月

2度目の脱皮で成虫になりました。大きいので♀です。

♀が羽化した後、「♂も欲しいな〜」と思ってもう一匹幼虫を追加してたんですが、幼虫の♂♀同定が出来ずに運任せ状態でした。が、そいつが空気を読んで立派な♂として羽化してきた!これで累代ができます。

しかし困った事も発生しました。
成虫になって飛翔能力を身に付けたこと、しかもそれが2頭になったことで、エサ交換のためにプラケのフタを開けるたびにてんやわんや。屋外でこいつらに逃げられたら、もうサヨナラですから。



・追記

産卵はしました。土は何でも良いと思います。僕は余っていた園芸用の土を使用しました。
問題はそこではなく、そのあと。卵の保管でした。
僕はトノサマバッタが年に2回発生することを知らず、大失敗をしてしまいました。

湿らせた砂に卵のうを埋めて室温(無加温)で保存していたのですが、途中で加水しようと様子を確認したところ、黒くなった1齢幼虫がたくさん横たわっていたのです。トノサマバッタは春に孵化して夏に産卵し、さらにそれが孵化してそのまま秋に産卵するというパターンをとるらしく、後者しか採集した事のない僕は、孵化するのは晩春から初夏にかけてだろうと思い込んでいました。ところがそうではなかった。しかも、いくら無加温とはいえ室温での保管は屋外に比べてはるかに暖かく、そのことも予想外の早さで孵化させてしまった大きな要因になったはずです。

あとから冷静に考えるなり調べるなりすれば分かる事なのに、それをしなかった。
飼育をしていて、ひさしぶりに落ち込んだ出来事でした。
あらかじめ知識を入れること。先入観にとらわれず、こまめな観察を怠らないこと。
とても大切なことをいまさら再確認です・・・。