ノコギリクワガタ
学名:Prosopocoilus inclinatus
コクワ同様毎年近所で採集できるんですが、64mmまでしか採れません。僕の父が子供だった頃は70mmを超える個体が年間に数頭採集できたそうです。一晩駆けずり回ればバケツがノコでいっぱいになったそうですよ。やっぱり昆虫の育つ環境は悪くなっているようですね。しかし♀は41mmという、かなりのサイズが採集できたりします。
♀は、リュウキュウ系やヤエノコなどに比べるとスリムな体形。
コイツらはオオクワみたいなどっしり構えてノソノソ動くタイプではなく、
「シャカ・・・シャカシャカ・・・・・シャカシャカ・・・・・ヒョコヒョコヒョコヒョコ」
という感じで、必要以上に脚を持ち上げるように動かして、おもちゃみたいな、かなり大袈裟な歩き方をします。そこにきて脚が細長いのでよくひっくり返ります。
動かないほうがかっこいいみたいよアンタ。
breeding
2007年4月
小さい頃に飼育していた事がある方も多いと思います。
「ウチの近所にはカブト・ノコギリ・コクワしかいなかった」という暗い過去を持っているヒトも多いことでしょう。
その時。そう、まさにその時、アナタ、ノコギリとコクワ、一緒のケースで飼ってたでしょう?しかもカブトまでブッ込んで。
僕はまだそうやって飼ってます。だって、なんかその方が楽しいじゃないですか。というわけで、産まれた幼虫はノコとコクワごちゃ混ぜでどれがどれだか。しかも、たくさん飼ってたのに採れたの9ひき。洒落になりません。菌糸瓶で4頭(1本に2頭ずつ)、マットで5頭飼育中です。みんなすごく小さい。
全部コクワだったりしてね。
2008年8月
全部コクワでしたー。はははー。
それは置いといて、今年のノコギリ。累代していないので野外採集に頼ります。早速、近所の採集スポットへGo! すると、今シーズン誰も手を付けていないのか、まさかの大漁に。64mmのオスを筆頭に20頭以上捕獲。もっと丁寧に探せばもっと出たでしょう。ではブリードに挑戦。
・追記
ブリード失敗。どうもノコ系は僕にとって鬼門です。アスタコと同じセットで臨んだのですがボウズ。
スネます。
2009年8月
夏。ノコが異様に恋しくなるこの季節。
夏が来たからには、採集せずにはいられん!
採集したからには、累代せずにはいられん!!!
ちゅー訳で、野外♀を一気に7頭セット。あはは。楽しみ〜。
2009年10月
今回の7頭勝負ですが、プラケ中に3頭、プラケ小に2頭を2個の、計3個のセットで臨んでおりました。どのケースも早速産卵が確認できたので、あまり産まれては困ると思い、2週間後に早くも割り出しを敢行しました。結果は、3セット合わせて40前後の卵。まぁ2週間ですから卵しか出ないのも当然です。
そんな事よりですね、3セットそれぞれの「産み方」に差が出ておもしろかったです。
セットAは、ほぼ完全にマット産み。コナラ材は無視です。
セットBは、ややマット寄り。コナラ材にも浮気してます。
セットCは、ほぼ完全に材産み。マットなんて空気です。
ぎょうさん産まれた卵は、33頭が孵化しました。
完熟系のマットをプリンカップ250ccに入れてしばらく管理します。3齢になったら大きい容器に変えようと思います。♀はこのままでもいけるかも。♂は、860ccのプリンカップに入れる予定です。プリンカップは堅詰めには向きませんが、径が大きいので、ノコのやたらデカイと評判の蛹室にも対応できそうかなー、と。
安いし。
2010年2月
今回の2番手。MAXは10.4g |
F1幼虫のエサ換えを行いました。エサを換えたのは、菌糸に入った6頭を除く22頭(5頭が落ちてしまった模様)。♂と期待の♀は860cc、期待薄の♂と♀は250ccへ。マットは食いカスやら菌糸カスやらをふんだんに取り入れたクソマット。なんとかなるべ。
体重は約10〜1gで、みんな3齢でした。ノコ系はほとんど経験がないので、何gだと何mmくらい、みたいな羽化サイズ予測が立てられません。でも今10gあればギリギリ大歯型で羽化してくると思うんですけど。
まぁ今回は♂よりも、デカイ処女♀が狙いなんです。♂親は最悪、採集モノに頼ればいいのですが、♀親はそうもいかない。愛着ある地元ノコで大型個体を続出させるためには、ボテボテの乙女(?)が必要なんです。
目標は38mm。自信はないです。
2010年7月
大半が羽化したので結果をお知らせします。♂は75%が60台で羽化、MAXは自己採集ギネスと同じ64.5mm。まあ♂のサイズは結構どうでもいいんですが、♀がちょっと残念、36.5mm止まりでした。う〜ん。幼虫のMAXは4.8gで、4.5gに乗れば35mmいけるかな、という感じです。そこそこの大きさを得るには、5gがボトムラインになりそうですね。
野外での採集の実績から言っても、♂はとにかく、♀はこれで頭打ちではないはずです。おそらく敗因はエサの量。少なくとも460ccに入れるべきだったと今更ながら思います。しかし逆に、250ccを2本で30台後半を量産できたことをポジティブに捉える事ができるかもしれません。
ちなみに、今回の最小サイズは♀が31.5mm。
そしてなんと、♂は29.5mm。お、♂の方がちっちぇー・・・。しょぼッ。
2016年8月
ひさしぶりに地元ノコをブリードすることにしました。
親は自己採集の63.4x36.2、60.2x31.2の2ペア。ここ最近お気に入りのフォーテック産卵一番でセットを組みます。このマットに柔目材を1本埋めるのが僕なりのマット産み系のセオリー。これを1〜2週ごとに採卵を繰り返し、必要数を得るというパターンです。
目標は、地元で未だ見たことのない65mmの壁を破ること。簡単そうな感じもしますが、採集でも累代でも64.5mm止まりの僕にとってはまさに大望。ひと目で「デケェ!!」と思えるノコギリを出してみたいものです。
2017年11月
F1が全数羽化しました。
最大は65.9mmで、見事目標達成〜!!やったー!!
「めちゃめちゃフツーのサイズじゃねーか」的な野暮な横槍は控えて頂きたい。前述のように、子供の頃から見続けてきた地元ノコの中で最大サイズを手に出来たのです。目標の65mmを超えたのはこの1頭のみ、しかもわずか0.9mmでしたが、それでも達成できたというのは嬉しいことです。HP的にも目標達成はひさしぶり。めちゃめちゃフツーのサイズだけど。
羽化したF1はまとめて来春まで常温保管です。
今年も地元採集の個体を2ペアセットして、ヒラタケ菌床で飼育中。良いトコまで引っ張ってみて、2本目を菌床で攻め続けるか、マットで守るかの選択は思案中。両方いくかもしれません。
次の目標は68mmかな!フツーのサイズだけど!!