ミヤマクワガタ

学名:Lucanus maculifemoratus maculifemoratus

さてさて、たまにはフツーの国産種をやりましょうか。ドルクスとノコギリだけの【KUWAGATA Z】じゃありません。外産がうまくいかないから守備範囲が広いから、こんなのにも挑戦しちゃいますよ。みんな大好きミヤマクワガタです!

20年近くクワガタやってて実はこれが初ルカヌスの僕ですが、なぜ今ミヤマなのか?

それは・・・



拾ったから。


breeding

2015年7月

7月初旬のある夜、職場の外灯の下を歩く♀のクワガタ。遠目にも35mmくらいありそうなその姿に「ノコギリか?」などと思いながら拾いあげたそれは、初めて目にするクワガタでした。初めてながらもあまりに特徴的なフォルム、すぐにミヤマだとわかり喜び勇んでお持ち帰り、さっそく殖やしちゃおう!というスンポーです。

ミヤマの産卵は土みたいなマットで低温キープ、的なイメージを勝手に持っておりまして、それに沿ってセットを作成。26℃(高いよ)の部屋でプラケミニ(ミニかよ)にイイ感じの発酵マット+嵩増しの黒土をガッと詰めて♀34.5mmを投入!

最大の不安要素は・・・ブリードテク、じゃなくて、いや、
それもだけどワイルドのくせに発生初期で種が付いてないんじゃないか、ということ。

なんとかなれ!!


・追記
なんともならんかった!!
くそ〜!また拾ったらリベンジしたろう。



2021年11月

6年振りにミヤマ拾ったのでリベンジするよ!

って、今回は拾ったワケじゃなくて、ちゃんと「採集」しました。

7月中旬、ヒメオオの初物狙いで乗り込んだ檜枝岐。
いつものポイントへ向かうも、早すぎたか、ヒメオオなど影も形もありゃしません。
アカアシ1♀のみでむなしく敗戦、トボトボ帰路をたどっていると、4mほど先の樹上になんかいる・・・
遠目にも明らかな耳状突起、絶対ミヤマだ!
この場所では今までヒメオオ、アカアシ、スジ、コクワしか観察できておらず、ミヤマは全く想定していませんでした。おそらく6〜7月に活動し、ヒメオオと入れ替わりで姿を消すのでしょう。8月以降に訪れていては会えないわけです。この日は結局5頭のミヤマを発見(内2頭も落としてもうた)。

さてさて。
♂53mm、♂46mm、♀33mmの計3頭を持ち帰って飼育開始。
メインはもちろん♀33mmです。
前回の飼育では玉砕したので、反省点を踏まえてF1を採ります。
ケースはプラケ中、マットはフォーテックの産卵一番と、フルイにかけた黒土を1:1で混ぜて使用。下5cmをガチ詰めして材無しでセット、温度は21〜22℃で2ヶ月放置。9月中旬に♀は死んでしまいましたが、ケース底面には何にも見えない。まーたボウズかよ!と思いケースを引っくり返すとド初齢が11頭!うわ、採れた!!

さあ、累代スタートでございます。
エサ。
ミヤマと言えばコレ、RTNのUマット。
ルカヌスやったことない僕でも知ってるUマット、900ccガラスびんに詰めて18〜22℃で行ってみよう!!

といった具合で8ヶ月も忘れてて引っ張って、2022年6月、初回のエサ換え。
1頭は投入直後に死亡してしまったようですが、残る10頭はゆるやかながら健やかに成長。体重は7〜11gといったあたりで、まだまだこれから成長しそうなプリプリの幼虫たち。標高1,400m前後で採集した親虫なのでサイズは伸びないと思いますが、15gくらいまで伸びてくれたら嬉しいですね。

というわけで寒冷地ミヤマのWDF1、長期戦の構えでございます。